「ほほぉ…いい性能だな。キサマの作戦目的とIDは!?」
「残業」「社畜ライダー」
毎日ベルトをつけてサラリーマンに変身するdaisen(@kiteretu1101)です。
特撮といえば何を思い浮かべますか?
ウルトラマン・ゴジラ・スーパー戦隊シリーズ・仮面ライダー…
自分が好きなのは仮面ライダーシリーズです。ふとしたきっかけで仮面ライダーを見てそれ以来ちょくちょくシリーズをDVDでかじってます。
特撮のヒーローモノで欠かせない要素と言えは
「変 身」
ですね。
特に変身のポーズはヒーローのアイデンティティといっても過言ではありません。
合気道をやり続けている身として、特撮…特に仮面ライダーの変身ポーズは武術的にいろんな解釈ができるんじゃあ無いかなぁと思います。
結構合気道と共通する部分もあって、特撮ファンの方も武道家の人も研究対象になるのではないでしょうか。
というわけで仮面ライダーの変身と武術(特に合気道)について書いていこうと思います。
(あくまで個人の意見・妄想です)
仮面ライダー「変身」の誕生は「無免許」がきっかけ?
そもそも仮面ライダーの変身はどうやって生まれたのか、と思って調べてみました。
その理由は意外や意外、俳優が無免許だったからなんです。
一作目、藤岡弘、が演じた初代仮面ライダー(今だと一号)の設定はバイクに乗って、その風を利用して変身を行うというものでした。
しかし撮影途中藤岡弘、が大怪我で撮影が続行不可に、そこで代役として別の俳優が選ばれたのですが、その俳優さん、当時バイクの免許を持ってなかったらしく、さらに俳優さんが
「バイクで風を受けてとかじゃあなくって、ビシっと決めて一発ヤルゾ!みたいなポーズは無いのか?」
というエピソードがあり、紆余曲折を経て、変身ポーズが誕生したわけです。
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これが当時の子供達に大ヒット。第二次怪獣ブームの…というのは専門家に任せます。
なぜベルトを使うのか~合気道における気の練磨と変身~
(変身ポーズの誕生って結構意外な理由だったんですね…)
ウィキペディアの情報ですが、当時変身ポーズを手がけた人が
「イメージとしては『宇宙の力』を自分の体の中に蓄える感じでした」
と語ったそうです。
ポイントはこの「宇宙のチカラ」って部分です。
合気道について簡単に説明した記事の中にも、この「宇宙のチカラ」というのがキーワードとしてでてきます。
合気道の開祖である植芝盛平翁は「宇宙の真理から出てきた武道」とおっしゃられたそうです。

ここを細かく話すと長くなるので割愛しますが、興味深いのが変身ポーズの原理と合気道開祖の考えが似ているってところなんですよね。(たまたまかも知れませんが…)
合気道のお稽古では型取り稽古が大半というイメージがありますが、実際によく言われるのは呼吸法です。
お稽古では息を吸う時に宇宙のすごいエネルギーを吸収して体の中心(ダイナモ)に蓄え、そのチカラを使って技を練り出す、というものです。
ジョジョの波紋呼吸法みたいなものだと思っていただけるとイメージし易いと思います。
そう考えると「変身!」と毎回叫ぶのも、宇宙の力のようなモノを体に蓄えるための鍵だと考えると合致するのではないでしょうか?
(大声を出すと腹式呼吸を用いて、お腹…丁度仮面ライダーのベルトのあたり、に力が入ってストレス解消や、踏ん張れるようになるそうです)
仮面ライダー1号は風の力を利用して、エネルギーをためて超人的な能力を得る。
合気道の達人は呼吸によって気の流れを体感し、技を繰り出す。
人間を超えた超絶的なエネルギーを用いるプロセスが似ているのは偶然でしょうか?
変身ポーズは「手の形」が命~変身ポーズと武道の手~
ところで変身ポーズにおいて一番大事な要素はなんだと思いますか?
それは「手の形」にあると思います。
なぜ変身ポーズにおいて「手の形」が大事なのか、それは人間は手の形を変えるだけで驚くほどパワーを発揮することができるからです。
古武道における武道の手~虎ひじき~
古武術家の第一人者、甲野善紀センセイが編み出した技の一つに「虎ひじき」というのがあります。
親指を手の平側に入れて、親指と逆方向に向かうように人差し指を外側に旋回させる。そして親指と人差し指を中心として、前腕から上腕に及ぶ腕の内側に拮抗状態をつくり肩を下げる。というのが虎ひじき。
動画でみるとこんな感じです(9分あたりに解説があります)↓
何がいいたいのか、というと、人間は手の形を変えるだけでものすごい力を発揮することができるのです。
武道、特に合気道においては技をかけるときに手の形がキレイにできてるかどうかで技の精度が変わります。
武道っていうと基礎体力とか型取り稽古とかが重要視されがちですが(全部大事です)、特に気をつけないといけないのが手の形。
実際に虎ひじきをやってみるとその凄さがわかると思います。
変身ポーズは手の形に力を入れろ!
以前探偵ナイトスクープという番組で仮面ライダーの変身ポーズを完璧にしたい!という(どうでもいい)依頼がありました。
変身ポーズのセンセイとして男性のかたがポーズを披露してくださるのですが、手の形に注目してみてください。
依頼者の女性と比べると、手の形がピシッとしているのがわかるでしょうか?
変身ポーズはエネルギーを最大限に発揮するためのポーズです。
変身!という叫び声とともにエネルギーを司る丹田(ちょうどベルトの位置にある器官)にエネルギーを集中させ、「変身の形」によって仮面ライダーとなるわけです。
変身ポーズを考案したスタッフの方も、歌舞伎の見得をモチーフにされたそうで、歌舞伎や能といった伝統芸能と合気道の形も実は関連性があると言われています。
(見得:物語の重要な場面、または登場人物の気持が盛り上がった時などにいったん演技を止めてポーズをかけること)
仮面ライダーの変身ポーズはこの手の形に秘密があるのかもしれません。ビシっと決めるカッコいいポーズは手の形にあり!
終わりに…変身ポーズをするときのコツ
というわけで仮面ライダーの変身ポーズと合気道の考察でした。(※個人の意見です)
もし仮面ライダーごっこをやるお子さんがいたり、大人の仮面ライダーベルトを買って、本格的に仮面ライダーに成りたい人は、まずは変身ポーズを決めるときに「手の形」を意識してみたください。
始める前にしっかり準備運動をして、発声練習をして、万全な変身準備を怠らないようにしましょう。
変身する際はお腹(ベルトあたり)に力を入れて、指先まで仮面ライダーのパワーを流しこむような意識でやるとより見た目が引き締まります。
ライダースーツを自作する人は、なるべく腕を動かしやすいような素材を使うと、見栄えも良くて戦いやすいのでおすすめです。
今回は合気道と仮面ライダーでしたが、他の作品を見ていくと、また面白い発見があるかもしれないので、余力があれば別の機会にでも書こうと思います。
それではみなさんいい夢を(締めの言葉