ノリとポップさのかけらもないdaisen(@kiteretu1101)です。
フュージョンというジャンルをご存知でしょうか?
先に行っておきますが7つのボールを集めて願いを叶える漫画に出てくるアレのことではありませんのであしからず(よく間違われるんですよね…)。

フュージョン(Fusion, Jazz Fusion)は1960年代後半から現在に至るまでのジャズを基調にロックやラテン音楽、R&B、電子音楽などを融合(フューズ)させた音楽のジャンルである。
引用:ウィキペディア「フュージョン」より
「ジャズ」に「ロック」とか「ラテン」とかそういったいろんな音楽を融合(フュージョン)させた音楽がフュージョンです。ま、言葉どおりなんですけどね。昔はクロスオーバーとか言われてたんですけど、長くなるので、一旦置いといて…
フュージョンの魅力はなんといってもその「音楽性」。基本歌がない「インスツルメント」、いわゆるBGMで、「カッコイイ」「オシャレ」「聴きやすい」「スーパーに流れてそう」
が揃った音楽。ミュージシャンも抜群に上手い人たちが集まった実は結構すごい音楽なんです。
おっちゃん世代なら「あぁ~フュージョンね。君もオシャレだねェ」なんて返事が帰ってきそうなんですが、流行ったのが70~80年台ごろという結構昔に流行った音楽なんです。
かくいう自分も20代の若造なんですが、ウオークマンの半分をジャズとフュージョンで埋めているほどのフュージョン好きです。
どれくらい好きかは↓のリンクを御覧ください。
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今回はそんなフュージョンのド定番、初心者に絶対聞いていただきたい名曲をご紹介したいと思います。オシャレなBGMが聞きたいという方、ちょっと変わったジャズを聞きたいという初心者の方、インストでオススメの曲をお探しの方にうってつけ。
ジャズ・フュージョンの入門としてもピッタリのオススメ曲をまとめてみました。
Chick Corea and Return to Forever – Spain(スペイン)
この音色、一度はどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか?(吹奏楽やジャズ研のひとなら知ってるかも)。
フュージョンといえばチック・コリア。チック・コリアといえばSpain。ってなくらいフュージョンのド定番の曲です。あまり馴染みのない名前ですが、ミュージシャンの中では絶大な知名度。フュージョン界のジェフ・ベック、といえばわかりやすい?
チック・コリアはアメリカ生まれのピアニストで作曲家。70~80年台からエレピ(エレクトリックピアノ)を駆使した音色が特徴的。その中でもこの「Spain」は彼の代名詞といっても過言ではありません。ちなみに「リターン・トゥ・フォーエヴァー」は彼のバンド名です。思わずスタンドに付けたくなるカッコよさ。
流れるような音色、キレのあるリズム、ラテンとジャズの合わせだし(関西ですいません)が見事に融合した傑作。初めてこの曲に出会って「フュージョンってこんなすごい音楽なんだ!」と感動しました。
多くのミュージシャンに愛されるだけあって、様々なジャンルで様々なアーティストにカヴァーされているこの曲。日本だとギタリストの渡辺香津美やB’zの松本、女性ピアニストの上原ひろみなどにカヴァーされています。(Spainのカヴァーだけでアルバムが作れるほど。)
チック・コリアひいきな私なんでもっといろんな曲を紹介したいんですが…Spain意外にも素敵な曲がいっぱいあるので是非さがしてみてください。

こちらもオススメ!(Spainを聞いて好きになった人は買いですよ!)

Larry Carlton-Room335~夜の彷徨(さまよ)い~
ギター小僧なら誰しも知ってる(はず)、Room335。ギター好きならこの音色は一度は耳にしたのではないでしょうか。
彼の二つ名”ミスター335”よ世に知らしめた傑作。この心地良いギターのサウンドが耳から離れず、同時に多くのギタリストを唸らせたのでしょう。(個人的に「夜の彷徨い」っていう邦題のセンスがいい)
題名の「335」というのは彼の愛用のギター、ギブソンES-335、からきています。スタジオルームも「Room335」と名付けるほどのギブソン好き。この曲もそこから来ているんですね。

絶妙なポップさ、ロックともジャズとも言えないギターの響きが彼の「技工」さが現れています。簡単そうに聞こえて実はコード進行とか結構難しいらしいですよ。
とりあえずフュージョンのギターでオススメの一曲は?といわれてたら黙ってラリー・カールトンとRoom355を聞かせましょう。オススメの時間帯は日が沈んでから湾岸線沿いを走ってる時。彼女とのドライブに聞かせた一曲です(いたら、の話ですが…)。
アルバムも全曲オススメですよ!

Weather Report – Birdland(バードランド)
ジョジョの奇妙な冒険第六部でお馴染み?のスタンド名。実はめっちゃ有名なフュージョンバンドってご存知?(アルバム名も「ヘビーウェザー」)。
曲自体も多くのジャンル、アーティストにカヴァーされているので、聞いたことがあるはず。(吹奏楽でも有名ですね)。
当時の才能溢れる若者二人がバンドを立ち上げ、これまた天才ベーシスト(ジャコ・パストリアス)が「融合」した結果、「最強」フュージョンバンドの登場。「フュージョン」使いと「フュージョン」使いは惹かれ合うッ!ってくらい天才プレイヤーが集まるのがフュージョンバンドの特徴。
ジャズの小難しさもなく、エレクトリック的なややこしさもなく、ロックの痛々しさもない、なんともポップに仕上がった名曲。思わず口笛を吹いちゃうほどの心地よさ。
これぞフュージョン、といえる傑作です(実際商業的にも大ヒットしたそうな)。気分が落ち込んだ時はこれを聞くと思わず元気が湧いてきますよ!

こちらもオススメ(もっとヘヴィーなフュージョンを聞きたい方はどうぞ)

Pat Metheny-Third Wind
世界一シマシマの刑務所の服シャツが似合うおじさん、のグループ。こうみえてギターの腕も世界一ィィ!
スカッとするような音色が特徴なパット・メセニーのギター。それを全面に出したのがこの曲。本当はこれ意外にもたくさん紹介したい曲があるんですが…それはまた別の機会で。
カッコイイ、爽快感のあるフュージョンは?と聞かれたらこの曲をお出しします。メセニーのギターもさることながら、バックコーラス・パーカション・ベース、何もかもが気持ちいいんです。まさに「WIND(風)」のようなサウンド。
曲の後半から一気に曲調が変わるのもこれまたカッコイイんです。春先や夏から秋にかけての風が心地いいときにこれを聞くと心がスカッとしますね。とにかくさっぱりとしていて聴きやすい音作りがパット・メセニーの十八番。
ゲーム音楽だと「風のクロノア」とか「ワイルドアームズ」とかの音楽が好きな人は絶対気に入ります。他のアルバムも名曲ぞろいなので、ゲーム音楽が好きな人はオススメ。

こちらもオススメ(風のクロノアが好きな人は要チェック!)

Fourplay – Bali Run
実はフュージョンの中で一番好きな曲。
ジャズ特有の「オトナ」を感じたいのであればこの曲がおすすめ。フュージョンのスーパープレイヤーが終結したバンドだけあって、演奏がキレッキレ、でも曲はものすごくモダン。
ま、とにかくこの曲、「カッコイイ」んですよ。カッコイイっていっても子供がヒーローを見た時にいう「カッコイイ」、女性がイケメンをみて言葉にする「カッコイイ」とはちがうんです。
「クール」&「インテリジェンス」。気取らず、オトナな余裕がサウンドの中に染み込んでいます。こういった「オトナカッコイイ」がたくさんあるのもフュージョンの魅力です。BUMP OF CHICKENやRADWIMPSとかのカッコよさ、L’Arc~en~CielやEXILEのようなカッコよさとはまた違う。アーバンチックな「格好いい」がいいんですよ。
この音色にドキドキ出来た時が「オトナ」に近づいた証なんだろうなぁと初めて聞いた時のことを思い出します。真夜中のドライブに最高にベストな一曲です。ちょっと背伸びしたい方は是非。

こちらもオススメ(よりオトナになりたい人はどうぞ)

The Crusaders-Those southern knights(南から来た十字軍)
南から来た十字軍ってタイトルが個人的に好き。70年台のクロスオーバーを代表する一作。あれ?フュージョンじゃあなくってクロスオーバー?まま、細かいことは気にせずに…
フュージョンってよりかはどちらかというとジャズ・ファンクっぽい印象が強い(クロスオーバーの時代ですから、まだフュージョンって言葉自体定着してない)んですけど、なんともいえない心地よさがいいんですよ。(語彙力が…
メンバーも上にかいたラリー・カールトンがギター、ピアノもジョー・サンプルというスーパーピアニスト。とにかくメンバーが地味~にすごいのがフュージョン。
ソロプレイがどれもキラリと光り、なおかつ曲全体もかっこよく、しっとりとしたサウンド。徹夜で友達と麻雀をした後、帰り(始発)の電車で朝日を見ながらこの曲を聞いた時は思わず涙がでそうになりました(決してボロ負けしたからではない)。
ファンクとジャズが上手いこと「フュージョン」した70年台の傑作。アルバム通して名盤です。

こちらもオススメ(ファンクが好きな方は是非

SHAKATAK (シャカタク)-NIGHT BIRDS
BSとかで深夜の懐かしい一曲で必ず耳にする一曲(徹夜した時無性に聞きたくなりません?)。
イギリスのグループがお届けするフュージョン。アメリカ発祥のジャズフュージョンとは違って旋律といいますか、とても「すっきり」してるのが特徴的。いかにもフュージョンっぽいのがいいんですよ。
インスツルメントとは打って変わって透き通る女性ヴォーカルがする~っと耳を通るんです。良くも悪くも王道的な「ブリティッシュサウンド」。でもこの王道さが心地いい。夜のドライブのおすすめの曲は?と聞かれたらこの曲を書けておけばOK。
ジャズやファンクのような力強さとはまた違う、変な話、「ええかっこしい」なサウンドがイギリス的。それがいまでも色あせないアーバンチックなカッコよさを引き立たせます。
ちょっとおしゃれな曲を聞きたい方はシャカタクがオススメ。BGMとしてもオススメです。

こちらもオススメ(アーバンチックなBGMが好きな人はどうぞ

The Rippingtons – Tourist In Paradise
アメリカは西海岸のグループ、ちょくちょくジャケットにも出てくる「ジャズキャット」がマスコット。
西海岸のグループだけあって、まぁ「ラテン」ってる。チック・コリアとは違った「ノリ」がでてます。これでもか!というほどポップしてる。だがそれがいい。
どっちかというとフュージョンというか「スムースジャズ」というジャンルに近いんですが…ジャンルの話になると長くなるので、まとめてフュージョンってことで。
こういったノリの良いフュージョンは夏に効くのが一番です。海風がささやく浜辺で、バドワイザーを片手に、パーティーの合間にこの曲をトッピングするとあら不思議!あたり一面LAのビーチに早変わり!
効く人によっては「ノリが古臭い」という方もいそうですが、この古臭いノリが心に残るもんなんですよ。古きよりフュージョンを聞きたい方は是非。

こちらもオススメ(アメリカが好きな方はもう一声

Casiopea – Asayake(朝焼け)
フュージョンは外国だけじゃあ無いぞ!日本人だって頑張ってんだぞ!というわけで最後当たりに日本を代表するフュージョンバンドを紹介。
おっちゃん世代なら絶対聞いたことあるこの音色。昔はミュージックステーション的なテレビに引っ張りだこだったほどの人気バンド。その中でもカシオペアといったら!な一曲。
上で紹介した本場?のフュージョンとは違った日本人らしいフュージョン。タイトル通り、朝に聞くと清々しい一日が過ごせそう。高校時代iPodで朝焼けを聞きながら登校してた青春時代を思い出します(何歳だよ)。
この曲を聞いてピンときたらおそらくフュージョンにドハマリすると思います。この日本人らしいポップさがジャパニーズフュージョンの良さ。メンバーも様々なミュージシャンのバックミュージックを担当されており、技術もピカ一。
メンバーの向谷実(鉄オタで有名)や神保彰(となりの関くんのEDを担当)など、若者向け(オタク)にも結構明るいメンバーもいるのがフュージョン七不思議。アルバムも沢山出しているので是非一聴を!

T-SQUARE -TRUTH
最後はこの曲。フュージョンを知らない人でも絶対聞いたことがあるはず。そう、この曲こそ日本を代表するフュージョンバンドの超有名曲である。(f1のテーマソングとしてのほうが有名かも)
ジャパニーズフュージョンといったらこれだろう!というツボをぐっと抑えてます。一度聞いたら離れないフレーズ。さすがF1のテーマソングだけあって、疾走感からくるカッコよさが絶妙。
T-SQUARE=F1のバンドってわけではないんですが、やっぱりキャッチーで耳に残る作曲ができるのはフュージョンバンドならではだと思います。
格好いい曲意外にも一度は聞いたことのある曲を沢山作ってますので、興味がある方は是非アルバムを。

ちなみにこのバンド、メンバーチェンジをしながら今でも活動を続けてます(40週年!)新アルバムもオススメです。

おわりに…もっと若い人にフュージョンを聞いて欲しい!
というわけでフュージョンのド定番な名曲をご紹介しました。
正直いうとフュージョンも結構幅が広いジャンルで、探すとアルバムの数が大変な枚数になってしまいます。
ロックやポップスとはまた違ったオトナなカッコよさ、心地いいサウンド、初心者でも入りやすいのがフュージョンの魅力だと思います。
メンバーも一流のミュージシャンが勢揃いなだけあって、音作り、作曲も天下一品です。
最近のロックやポップスも気鋭ぞろいのいい曲ばかりですが、フュージョンもじつはいい曲ばかりがそろっているんですよ。
なので僕みたいな若い人たちにフュージョンの凄さ、楽しさを聞いてほしいなぁとおもいました(往年のファンの方ももちろんです)。
それではみなさんいい夢を(締めの言葉