2018年7月、平成最後の年に麻雀業界に衝撃が走りました。
サイバーエージェントの藤田社長が代表理事の、麻雀の国内プロリーグ「Mリーグ」が発足したのです。
麻雀業界では「革新的だ!」「麻雀の歴史が変わる!」と騒がれていますが、じゃあなにがどう革新的なのか?そもそもMリーグって何?と疑問に思ってる人も少なくないと思います。
というわけで今回はMリーグの何が革新的なのか、今まで麻雀プロが参加している大会・リーグと同違うのかという点についてサクッとまとめてみました。
Mリーグに興味がある麻雀ファン、初心者の方は是非参考にしてみてください。
Mリーグとは?
まずはざっくりと簡単にMリーグの概要をおさらいします。
競技麻雀のチーム対抗戦のナショナルプロリーグ
各チームにスポンサーがつき、ドラフト会議でプロ団体から3名づつ指名される
各チーム80戦のリーグ戦を行い、上位4チームによるクライマックスシリーズ24戦で優勝決める。優勝賞金5,000万円
ルールは一発裏ドラ赤ドラ1枚ずつ。自動配牌を採用
チーム・参加選手一覧、その他細かいルールについてはMリーグ公式HPをご覧ください。
Mリーグ出場選手については選手名鑑が発売されております。興味がある方はこちらを読むとMリーグがもっと楽しめるはずです。
Mリーグを一言でまとめるとプロ野球やJリーグの麻雀版ってところですね。
今まで麻雀プロ団体のリーグ戦やタイトル戦はありましたが、プロ団体の垣根なしにチームが組まれるというのは前例がありません。
さらに優勝賞金5000万円と高額なのも凄いところ(通常タイトル優勝者は2~300万円ほどが相場)。
麻雀のプロスポーツ化を図った一大リーグと言うわけですね。
ではMリーグについて詳しく、いままでと比べて何が革新的なのかを見ていきましょう。
Mリーグのポイント①:スポンサーから参加選手に年棒が支払われる
一番革新的なのは麻雀プロ・リーグ運営にスポンサーが付いたことです。
既存のタイトル戦は麻雀卓のメーカーといった業界に関るスポンサーが絡んでましたが、電通やテレビ朝日など大手企業がスポンサーになったのは麻雀業界初の試みです。
また試合の際今までは正装(スーツ)でしたが、MリーグではMリーガーがスポンサーロゴが入ったシャツを着て戦います。まさにプロ野球ですね。
で、スポンサーが付いたことが何が凄いのかといいますと、一つは巨額な賞金、もう一つはメンバーに年棒が支払われることです。
プロといえばプロ野球選手が年棒ウン億円~なんてニュースで聞きますが、麻雀プロはプロになっても年棒とかがないんですよ。むしろ団体の運営費取られるくらいです。
しかしMリーグにスポンサーが参入したことで既存のプロスポーツのように年棒が支払うことが可能になりました。
言い換えると麻雀で食っていけるということです。これは麻雀業界初の革新的なことでしょう。
ちなみに噂レベルですが最低400万円からといわれてます。多分コミコミ合わせたらもっとあがるんじゃないかなぁと思います。多分800万円くらい。コレだけもらえたら十分麻雀で食べていけますね。
さらにMリーグの優勝賞金が5000万円とかなり高額。タイトル戦の賞金の平均が2~300万円と比べると破格ですね。これもMリーグにスポンサーが付いたから可能になったといっても過言ではありません。(Mリーグは大和証券と契約を結んでいる)
Mリーグの発足である意味合法に麻雀の腕一本で一攫千金が狙えるチャンスが来たということですね。
Mリーグのポイント②:ルールが一発裏ドラ赤アリを採用&自動配牌
Mリーグの公式ルールには一発裏ドラ、そしてマンピンソー各一枚に赤ドラが採用されます。
え?そんなの普通じゃないの?と思われるかもしれませんが、競技麻雀の歴史から考えると革新的なルールなんですよ。
というのも今までのタイトル戦やリーグ戦って赤ドラが採用されてないんですね。日本プロ麻雀連盟のルールは一発・裏ドラも採用されていません。
それがMリーグで初めて赤ドラが採用されたのは競技麻雀史上革新的なことです。というかようやく競技の世界でもネット麻雀やフリー雀荘で採用されているルールに追いついたという感じでしょうか。
赤ドラがあるか無いかで麻雀が変わる~競技性が~どうのこうの~という議論はありますが、今は赤ドラなんてネット・フリーは当たり前、逆になんで競技麻雀は赤を採用しないんだろうと個人的には疑問に思ってました。
・・・とまぁ一般のルールと同じになったのでより楽しめるようになったのではないかと思います。やっぱり慣れ親しんでる赤アリ麻雀が楽しいですもんね。
今後はMリーグの一発裏ドラ赤アリが主流のルールになるのではないかと思います。麻雀のルールってローカルルール含めると結構ごちゃごちゃしてますからね。是非統一したルールを作って欲しいと思います。
あと地味ですけどMリーグは自動配牌が採用されてます。いままでのタイトル戦は自動配牌が付いてるのにさいころ振って山割って牌とって・・・と時間が掛かってました。
今は技術が進んで自動配牌ができる卓が主流になったので、時間も掛からないし、ささっと進めれるので自動配牌を採用したのはグッドだと思います。山から取るとこぼしたりして大変なんですよね・・・
流石に自動配牌は牌が偏る!けしからん!という人はいないと思うので(いないよね?)、これも主流になって欲しいですね。
Mリーグのポイント③:メンバーがドラフトで選ばれる
Mリーグは各チームがドラフト会議で、既存の麻雀プロ5団体(最高位戦・麻雀連盟・麻将連合・麻雀協会・RMU)に所属するプロの中から選手を選びます。
つまりMリーグに参加するにはプロになるだけでなく、スポンサーが欲しがる実力(とPR)が必要なのです。
通常のリーグ戦ではD2からC→B→Aと段階を踏んでいく必要がありました。たとえDでも実力があってスポンサーの目に止まれば指名されますし、Aクラスでも指名されない場合もあります。
麻雀プロになるには団体のテストに通ればOKですが、Mリーグに参加するのはかなりハードルが高いことがわかります。どんだけ麻雀が強くても指名されないと参加できないからです。
今回は7チームx3人=21人という限られた人数ですが、今後Mリーグが盛り上がったら参加枠も増えるでしょうし、もしかしたらアマチュアからも指名のチャンスが来るかもしれません。
個人的には天鳳位だけのチームやネット麻雀トップランカーを集めたチーム、サッカーにあやかってU20のチームなんかも面白そうですね。
年棒制も合わせて将来はMリーグのドラフトに指名される最強雀士が夢です!という世界が来るかもしれません。
Mリーグのポイント:参加メンバーは一切のギャンブルを禁止(ゼロギャンブル宣言)
Mリーグではゼロギャンブル宣言というコンセプトを掲げています。Mリーガー(選手)はいかなる賭博行為を禁止、関った場合は即除名と非情に厳しいルールを設けています。
今まで麻雀プロ団体で公に「ギャンブルはNO!」というところはありませんでした。そういう意味ではこのゼロギャンブル宣言は非情に革新的なことなんですよ。
というのも麻雀というとどうしても賭け事のイメージがついてくるじゃないですか。だから麻雀=スポーツ!健全!クリーン!という認識を広めようということで大々的に賭け事ダメ!というゼロギャンブルが宣言されました。
・・・いや!あたりまえじゃん!賭け事だめだよ!
ってなるのが世間の反応ですよね。じゃあ何が問題なのか。ゲストに麻雀プロを呼んでいたり、そもそも雀荘を運営してる麻雀プロに影響がでる(恐れがある)んです。いわゆるフリー雀荘の経営に支障が出る恐れがあるんですよ。
というのも町で経営してる雀荘のほとんどって”オンレート”です。(最近は”ノーレート”のお店や健康麻雀が増えてますが、主流は”オンレート”です)
そこにゼロギャンブル宣言、となると”オンレート”の雀荘はMリーガーに参加してるプロを呼べなくなってしまいます。ゼロギャンブルに反しますからね。雀荘を経営してるプロだったらそもそも参加できません。
なのでとある雀荘が、客を集めてるゲストプロがMリーグに参加するとなったら雀荘側としては経営的に大ダメージです。
そんな感じでゼロギャンブル宣言によって雀荘経営に問題がでるかも・・という議論も交わされています。
ゼロギャンブルとフリー雀荘についてはコチラの記事が面白かったので是非どうぞ。
雀荘への影響は?雀ゴロkにMリーグについて酒飲みながら色々聞いてきた
個人的な意見としてはそこまで懸念するほど影響は無いと思います。チェーン店は大変ですけど、売上ががっくり減るレベルまでは行かないんじゃないかなぁと。
ゲストで活躍するプロはそっち方面で専念するってこともありますし、なんならノーレートに経営を変えればOKです。ここらへんは様子見ですね。
終わりに:Mリーグは麻雀業界の新時代を築くか!?
というわけでMリーグについて簡単にまとめてみました。
制度やルールを見てみると、改めて今までとは違った革新的な試みをしてるな~と実感します。
麻雀はプロスポーツだ!という藤田社長の意気込みがひしひしと感じられます。今後のMリーグの動向に注目ですね。
10月1日からリーグ戦が始まりましたので、興味がある方はぜひ視聴してみてください。
MリーグはAbemaTVからスマホ・パソコンから視聴できます。登録なしで無料で見れますよ!
アプリはこちら↓からどうぞ。

最後に、Mリーグを立ち上げたサイバーエージェントの藤田社長が書かれた「仕事が麻雀で麻雀が仕事」は麻雀好きにおすすめです。エッセイとして面白いのでこちらもぜひ。