カフェやレストランで耳にするジャズピアノ。
鍵盤が奏でる表情豊な音色と自由を象徴するジャズは、ジャズを知らない人でもつい夢中にする魅力があります。
心安らぐ曲から、思わず体が揺れるテンションの高い曲まで、いろんな曲があるのがジャズピアノの面白さ。
今回はジャズ好きの筆者が、モダンジャズから現代のジャズピアノまで幅広く、特にオススメしたいジャズピアノの名曲名盤を厳選してご紹介いたします。
ジャズピアノってどんな曲があるの?と言うジャズ初心者から、ピアノの曲が知りたい、オススメの作業用BGMを探しているという人にオススメです!
おすすめジャズピアノアーティスト①~ビルエヴェンス
モダンジャズを確立したジャズの巨匠、ビルエヴァンス。
枯葉(オータムリーブズ)やいつか王子様が、などジャズを知らないひとでも、どこかで一度は聞いたことがある名曲を演奏しています。
それもそのはず、ジャズピアノといえばビルエヴァンスが最初に出てくるくらい、モダンジャズを大きくした功績者でもあります。
まじめそう(失礼)な見た目とは裏腹に、ドラッグに悩まされ、晩年はいろいろ苦労をした人でもあります。
だからこそ、繊細で美しいピアノの音色が生まれたのだと思います。
ビル・エヴァンスのオススメ名盤・名曲
ワルツ・フォー・デヴィー
姪のデヴィーのために作曲したといわれるジャズピアノの名曲中の名曲。
ジャズを知らない人でもどこかで聞いたことがあるはずです。
(ちなみに日本一売れたジャズアルバム、だそうです)
ビルの繊細なピアノ、それぞれの楽器が紡ぎだすインタープレイがやさしい音色を生み出しています。
クラシックに影響を受けただけあって、優雅な雰囲気が聞こえてきます。
カフェのBGMにもぴったりです。休日の夜に、コーヒーを飲みながら聞くのがたまりません。
ジャズ初心者にもオススメしたい名盤です。
おすすめジャズピアノアーティスト②~バドパウエル
モダンジャズピアノを確立させた、ビルエヴァンスと並ぶジャズの重要人物です。
今では主流のピアノ・トリオを確立させたアーティストでもあります。
昔はジャズといえば、大人数でスィングする、というのが当たり前でしたが、ピアノ・ベース・ドラム、というシンプルな楽器構成がヒットしました。
これぞジャズ!というある意味わかりやすい演奏をしてくれるのがバド・パウエルの魅力の一つでしょう。
バド・パウエルのオススメの名盤・名曲
クレオパトラの夢
この曲もどこかで聴いたことがあると思います。
ジャズトリオ(ピアノ・ベース・ドラム)を生み出したアーティストなだけあって、コンビネーションも抜群です。
バドパウエルのピアノがクレオパトラ・・・エジプトの夜を作り出してる、そんな曲です。
ベース・ドラム・ピアノが織りなすプレイが心地よいリズムを生み出します。これぞジャズ!ですね。
とても聞きやすい曲なので、ジャズ初心者にもオススメできる名曲です。
おすすめジャズピアノアーティスト③オスカーピーターソン
ジャズピアニストの中でも技巧派、それでいて自分のスタイルを突き通したアーティスト。
ビバップ・モード・コードと変化していく中、一貫したプレイが特徴です。
ジャズと言えば個性を全面に出す、というスタイルですが、オスカー・ピーターソンはとにかく真面目。
楽譜どおりにしっかり演奏するというスタイルです。真面目すぎて逆に個性的な音楽スタイルを確立した、という異色のアーティストです。
さすが、真面目なだけあって、演奏技術もピカイチなんですよ。
オスカー・ピーターソンのオススメの名盤・名曲
Cジャムのブルース
技巧派といわれるだけあって、シンプルな曲こそオスカーピーターソンの魅力が沸き立つんです。
オスカー・ピーターソンといえばピアノトリオ。そんな彼の代表曲から一曲。
この曲を例えるならシンプルなペペロンチーノがシェフの腕が出てくるようなもの。シンプルな曲だからこそ、技巧派のオスカー・ピーターソンの腕が光ります。
ピアノもそうですが、ノリノリのベースラインが個人的に大好きです。
ジャズバーで流れてくるような、思わずウィスキーで一杯やりたくなるかのような、まさにジャズといった一曲です。
おすすめジャズピアノアーティスト④マッコイ・タイナー
ジョンコルトレーンと出会い、様々なジャズの巨匠(ジャズ・ジャイアント)たちと演奏してきたピアニスト。
筆者ベスト1のアルバム、「至上の愛」のピアノを担当したアーティストでもあります。
60~70年代に活動したジャズピアニストであり、50年代~の雰囲気と比べてみると違いがわかります。
マッコイ・タイナーオススメの名盤・名曲
Fly With The Wind
個人的にマッコイタイナーの超名盤だとおもってます。
70年代後半に作られた曲で、ジャズ黄金期からは時間が経っている作品になります。
曲自体は、当時ブームが始まったクロスオーヴァー(フュージョン)のような感じですね。モダンジャズとはちょっと違うかな?
コレまでのジャズとはガラッと雰囲気が変わった、壮大な演奏が印象に残ります。
マッコイのピアノもですが、映画音楽のようなスケールのでかい演奏がカッコイイんです。
ジャズ=古臭いと思ってる人は一度聞いてみてください。ほんと、カッコイイんですから。
おすすめジャズピアノアーティスト⑤ウォルタービショップジュニア
ビバップ期およびハード・バップ期に活躍。
ソニーロリンズやアートブレイキーなど名だたるジャズアーティストとプレイしました。
とある批評家曰く、「凡庸なピアノ」らしいですが、逆を言えば「ジャズらしい」演奏が彼の魅力です。
ウォルター・ビショップ・ジュニアのオススメの名盤・名曲
スピーク・ロウ
ピアノトリオの作品。やっぱりピアノトリオはいいですね~。シンプルだけど奥深いって感じがジャズって感じがして!
有名、というわけではないんですが、聞けば聞くほど味が出る、そんなするめみたいな名盤(だと思ってます)。
ビショップのピアノの音色は初心者にも耳に残りやすい丁寧な演奏。ベースとドラムのセッションも非常に丁寧です。
アルバムを通してジャズとは!というお手本のような曲が収録されてます。
初心者でもジャズの魅力を楽しめる名曲(名盤)です。
おすすめジャズピアノアーティスト⑥ホレス・シルヴァー
ファンキージャズ(モダンジャズの一種。ソウルジャズとも)の代表であるジャズピアニスト。
ゴスペルやラテン、アフリカ音楽などなど、幅広い音楽性に影響を受けており、作品にもあらわしているのが特徴。
ジャズらしい独特の音楽性を生み出しました。
ホレス・シルバーのオススメの名盤・名曲
ソングフォーマイファザー
ホレスシルヴァーがブラジルへ旅行したときにインスパイアを受けた作品。
シルヴァーの代名詞ともいえる、ジャズの名曲です。
(ちなみにアルバムの人物はホレスシルヴァーのお父さん)
ジャジーという単語が似合う、渋い一曲です。だけど凄く聞きやすい。これもジャズ初心者にもとっつきやすい名曲です。
激しくは無いけど軽快な音色を生み出すのは、様々な国の音楽に影響を受けたホレスシルヴァーの作品なんだなぁと思います。
タイトル曲以外も名曲ぞろいなので、是非アルバムを通してみてください。
おすすめジャズピアノアーティスト⑦ハービーハンコック
モダンジャズからファンク、フュージョンやテクノまで、様々な音楽を追求してきたジャズピアニスト。
どの時代も名盤を作り出し、幅広いジャンルで活躍してるアーティストです。
ファンクミュージックやテクノなどのイメージが強いですが、60年台はザ!モダンジャズ!という演奏でした。
ハービー・ハンコックのオススメ名盤・名曲
処女航海(メイデンボヤージュ)
ハービーハンコックのジャズスタンダードで名曲を上げるなら、と問われたら私は処女航海です。
ウォーターメロンマンとか他にもあるんですけどね、ジャズピアノで絞るならこの曲。
タイトルどおり、波に揺れるようなピアノの和音が心地いいんですよ。
スウィングするジャズとは打って変わって、落ち着いた、でも深い音色が評価されました。
全体を通して完成度の高い、60年代の新しいジャズを作り出した名曲です。
おすすめジャズピアノアーティスト⑧ミシェルペトルチアーニ
フランスのジャズピアニスト。
先天性疾患により、体が脆く、身長も1Mほどというハンディキャップをもろともせず、情熱あふれる演奏を行った稀代のアーティストです。
ビルエヴァンスに影響を受けており、儚さと情熱さをうまい具合に表現しているのが特徴的。
彼の生涯を追ったドキュメンタリー映画も作られており、いろんな意味で凄いアーティストです。
ミシェル・ペトルチアーニのオススメ名盤・名曲
ルッキング・アップ
ミシェル・ペトルチアーニの中で一番好きな曲から。
美しい旋律なんですが、ところどころ力強い印象を与えるプレイがミシェル・ペトルチアーニの醍醐味です。
テクニックもそうですが、流れるような、それでいて楽しげに演奏するイメージがいいですね。
89年に作られた、彼のオリジナル曲、古き良きジャズとアーバンチックな音色がおしゃれでカッコイイんですよ。
おすすめジャズピアノアーティスト⑨チックコリア
個人的に一番好きなジャズピアニスト。世間ではフュージョンの方が有名ですね。
ハービーハンコックと近い歳に生まれ、ジャズはもちろん、フュージョン作品も名盤名曲を生み出した人です。
ラテンからロック、アコースティックからエレクトリックまで、なんでもこなすアーティストです。
チック・コリアのオススメ名盤・名曲
マトリックス
フュージョンの名曲はすでに紹介してるので、ジャズから一曲。
いかにも!というわかりやすい、(良い意味で)チックコリアらしい音楽です。
ラテンが得意と言うだけあって、軽快なピアノさばきが個人的に大好き。
チック・コリア特有の、疾走感と緊張感が同時で楽しめる美味しい作品です。
チックコリアっぽいジャズを堪能するにはうってつけの名盤です。
チック・コリアといえばフュージョンでもあります。フュージョンの名曲も合わせてどうぞ。
おすすめジャズピアノアーティスト⑩上原ひろみ
日本のジャズピアニスト。上で紹介したチックコリアの弟子?でもあります。
ピアノは打楽器だろ?といわんばかりの強烈で激しい演奏が特徴的。
そればかりでなく、しなやかなピアノの美しさも引き立たせる、いわゆる天才肌なアーティスト。
(音大の東大ともいわれる、バークリー音楽大学を首席で卒業するレベル)
現代のジャズシーンをリードするアーティストでもあります。
上原ひろみのオススメ名盤・名曲
Dancando No Paraiso
畳み掛けるようなピアノの応酬!これこそ上原ひろみのカッコよさであり魅力です。
個人的にテンションが高くなってくるたびに顔が変化していく姿が好き。
ジャズのDNAを引き継ぎつつ、彼女独特の力強い演奏がクールなんですよ。
テンションを上げたいときはぜひ彼女のピアノを耳から注入してください。
最後に:ジャズピアノは作業用BGMにもオススメ!
というわけでジャズ好きの筆者がオススメしたいジャズピアノの名曲名盤でした。
ピアノもアーティストによっていろんな音が生まれだすのが面白いところです。
これを機に、ぜひジャズの世界へ入門されてみてはいかがでしょうか。
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もっとジャズが聞きたい!と言う人は是非おためしください。
使ってみたレビューなども書いてますのでそちらもどうぞ。
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それでは皆さん良い夢を(言葉